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繁盛店の秘訣

■■■「繁盛店の秘訣」第3回「とんかつKOROMO」■■■

2017/2/1

「繁盛店の秘訣」第3回は、豊川市蔵子でとんかつ・創作料理のお店「とんかつKOROMO」のオーナーさんにお話を伺いました。

オーナーさんは、イタリアンととんかつ屋で修行をした後、豊橋で開業しました。経営が軌道に乗り始めた3年後、テナントという事もあり自由に改装・増築が出来ない事から豊川の住居付物件に移転。現在は席数34席で営業していらっしゃいます。 

昼はサラリーマンや周辺の工場・病院の職員さん、近所の主婦の方々が多く、夜はカップル、学生、家族連れで連日賑わっています。
客層を意図的にどちらかに寄せようというのはあまり考えていないそうですが、イタリアンの技術を取り入れたメニューの特性上、とんかつという業態の割には女性客が多いお店です。

今回も沢山繁盛の秘訣を披露して頂きましたので、是非ご参考にしてください!

■■■「繁盛店の秘訣」第3回「とんかつKOROMO」■■■

【「KOROMOの存在を知っているけど食べに行ったことがない」という人に食べてほしい】
 東三河エリアの方々は、新しいものに中々飛びつかない(話題にはなるかもしれないが、継続した集客ができない)特性がありますが、一度お店に食べに来てくれた人は高確率でリピーターになっていただけるので、新規のお客さんが来店してくれるきっかけ作りに注力しています。

 ■KOROMOさんで行っている新規客獲得策■

・クーポン
・イベント(会計の時にくじを引いてもらって10%OFFや20%OFFの割引をする)
・メディアの宣伝(テレビ)
・常連さんの口コミから広めてもらう
・ホットペッパー、はなまる(年間契約しています)
⇒特に、はなまるは有力紙になってきているので、新規出店を考えている方は1回は掲載する事をお薦めします。
KOROMOさんでは、1カ月にクーポンチケットが最大で90枚近くかえってきたこと(複数人で1枚利用していることもあるので来客換算で100~150人くらい!)もあるそうです。

【単なるとんかつ屋ではなく、KOROMO独自のメニュー開発に注力】

前述の通り、KOROMOさんはイタリアンでの修行経験を活かして、お洒落だけどお腹いっぱいになるものを考案し、グランドメニュー化しています。

◆メインメニューは『変わりダネとんかつ』
トマトとんかつ、カルツォーネ、かぼちゃとんかつ等、基本的には、あっさりしたとんかつを目指し、野菜を積極的に取り入れ、とんかつの割には油っぽくないように作ってあります。
それは、専門店(とんかつ屋、カレー屋などの定食屋)ではメニューが王道になりがちだが、どこかで店舗独特の特徴を出さないと他のライバル店との差別化が図れないため。そのためには継続して様々なメニューを考案してく必要があるので、常に情報を取り入れていかなければなりませんが、手に入れた情報をすぐ店舗の方に取り入れる事ができるのが個人経営の良いところ。数量限定で販売したり、常連さんに味を見てもらったりということをオーナーの裁量で行うことができる。そういったやり方をしていく事により、個人経営としての強みを活かしています。
 実際、開業当初、週替わりでメニュー変更を行ったり、1カ月に1品新メニューを作ったりしていたところ、お客様から「またこのメニューを食べたい!」という声をたくさん頂きました。そこで人気メニューはグランドメニュー化することで、より人気の作品を皆に食べてもらえるようになり、リピートに繋がってきました。

【繁盛店に育つまでの厳しい期間を耐える】

現在は行列のできる繁盛店に成長したKOROMOさんですが、最初の1年半は毎月赤字だったそうです。
ただ、お店に食べに来てくれた人は高確率でリピーターになってくれたので、自分のやり方は間違ってはないという確信が持てていたとの事。
個人経営の店は、チェーン店に比べて知名度がないため、最初は客足が伸びづらく、様々なお店が数年で閉店してしまうことがあるが、もうあと1~2年続けていれば売れるお店になっていたのに、というお店はいっぱいあると思う。
厳しい期間を堪えて売れるお店を目指していくためには、まず、運転資金をしっかり用意しておくことが重要。自分で設定した運転資金が底を尽きるまでは様々な工夫をしてお店を継続させるべき。
KOROMOさんが実際に聞いた繁盛店の工夫として、「今までのぼりを出しておらず経営不振だったお店が、ある日のぼりを出した途端に大繁盛」「ガラス張りのカフェをOPEN。序盤はお客様が全く入っていない状態だったが、友達を毎日1組無料でモーニング食べさせるようにしたら、それだけでお客さんが入るようになった」など、「儲かるお店になる」きっかけがどこにあるかは立地、状況により様々です。
結局は、色んなことにチャレンジして、まずは新規のお客様に入ってもらい何かしらの評価を頂くことが大事で、良い評価があればそこは継続し、悪い評価を受けてしまったところは改善していく事が繁盛店の秘訣との事でした。

★コンサルタント宮川のCheck Point!★

KOROMOさんの「繁盛店の秘訣」いかがでしたでしょうか?
開業当初の厳しい期間が耐えられるだけの資金計画をしっかりし、新規顧客獲得のためにメニュー開発に注力(顧客の生の声を取り入れたメニュー開発)、そして良い点を伸ばして悪い点は改善していく・・・一見、PDCAサイクルを回しているように見えますが、KOROMOさんが実行している内容は、「OODAループ」という考え方に則っています。

※「OODAループ」とは、変化を「感知(Observe)」し「方向づけ(Orient)」することで「センスメイキング(気づき、意味の形成による情勢判断)」を行い、 それに基づいて「決定(Decide)」して「行動(Act)」するというループを最速で回転させることをいいます。

皆さんも一度は聞いた事がある「PDCAサイクル」ですが、実は、個人経営のお店が激しい競合環境の中で勝ち残って行くためには、そぐわない点が多々あります。
PDCA (Plan, Do, Check, Act)サイクルでは、まず最初に計画(Plan)を策定することが前提となっていますが、計画策定後に計画策定の前提が変化することは飲食業界には良く起こります。前提が変わってしまっては計画は妥当でなくなるのは当然にも関わらず、計画策定に拘るあまり、不完全な計画を作ったり、結果的に無駄になる計画策定に時間を要したりしてしまいます。加えて、計画策定の時に過去の経験や合意した想定しか考慮できません。
また、PDCAでは「想定外の予期せぬこと(Unexpected)」を見逃すことがあります。計画が前提にあり内外の環境感知(Observe)と標定(Orient)をする情勢判断の過程がおろそかになります。人間は環境の変化に気づいても、それが何かを納得しないと行動に移れない側面があり、行動の後のチェックで変化を気づいても手遅れになる事があります。

ここで少し「OODAループ」について、例えで良く使われる「軍事の世界」でご説明します。
現在、地球上で最強の軍隊が 米軍ですが、彼らはベトナム戦争の時代には計画・実行・統制サイクルをベースに組織を運営していました。ホワイトハウスの「ウォールーム(戦略司令室)」で作戦指揮計画を立て、地球の裏側でそれを実行させるというやり方で動いていましたが、結果、失敗しました。
そして、911の時も同じやり方をして失敗しています。
※織田裕二のドラマで「踊る大〇〇〇」というのがありましたが、このドラマで有名なセリフ「事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起きてんだ!!!」と同じですね。
それに対して2011年のウサマ・ビンラディンの急襲作戦では、米軍はまったく違うやり方を取りました。この時もオバマ大統領をはじめとする安全保障会議の責任者たちは全員ホワイトハウスの地下にあるシチュエーションルームに詰めていましたが、そこで議論をしていたわけではなく、最前線の状況をモニターで見ており、現場と情報を共有し、その場で意思決定を下し、そして作戦に成功しました。

いかがでしょうか?KOROMOさんでは、新しいメニューを開発して投入する事により、顧客の反応を「感知」し、飲食店として最も重要なグランドメニューを「決定」しています。もちろん、OODAループでは「感知」して「決定」するための知識や経験が必要となりますので、どんな状況でも当てはまるかと言えばそうではありません。
例えば、経営者が調理経験者かそうでないか、席数の多寡、ターゲット層など、おかれている環境やそのお店の経営方針によって、PDCAの考え方も重要になって来ます。
KOROMOさんでも事前にしっかりとした資金計画が必要だと仰っている通り、計画は必ず必要です。そういった意味では、PDCAとOODAのハイブリッド型経営と言えるかもしれませんね。

***

以前KOROMOさんでとんかつ定食を頂いてきました!サクサクで油っぽくなく、とても美味しかったです!
トマトなどをはじめとした変わりダネのとんかつの種類が豊富で、とんかつ屋=定食屋というイメージが覆りました。
皆様も是非足を運んでみてくださいね!

―――店舗情報―――
とんかつKOROMO
住所:愛知県豊川市蔵子6-3-9
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:00(L.O.21:30)
定休日:木曜・第1、第3水曜
TEL:0533-65-7760

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